CREWのサービス概要と、CREWが白タクに該当しない理由について

CREWのサービス概要と、CREWが白タクに該当しない理由について

寄稿者:解説・文責 人流観光研究所長(観光学博士)寺前秀一

1972年運輸省入省、自動車局、鉄道監督局、航空局、海上交通局等を経て、国土交通省総合政策局情報管理部長等を歴任、退官後高崎経済大学地域政策学部教授、加賀市長等を歴任 HPhttp://www.jinryu.jp/

CREWイメージ

1.CREW(クルー)について

CREWは、“乗りたい”と“乗せたい”をつなぐ移動のシェアアプリです。

CREWに登録しているCREWライダーがアプリ内で”乗りたい”という希望をだすと、同じくCREWに登録しているドライバー(以下、CREWパートナー)が紹介され、お互いの希望が合えばライダーがドライバーの車に乗って移動することができます。
アプリによってマッチングされるヒッチハイクと考えてもらえれば、イメージしやすいかもしれません。

また登録の際に運営元がCREWライダー、CREWパートナー両方の身元を確認しており、どちらにとっても安心して利用できるシステムになっています。

白タクイメージ

2. いわゆる白タクとは何か

明確な基準があまり知られていない「白タク」ですが、一般的に以下のような形で収益を上げている会社・個人のことを言います。

白タクは、通常タクシーが緑色のナンバープレートをつけているのに対し、一般車と同じ白色のナンバープレートをつけていることから白タクと呼ばれています。

いわゆる白タクとは、道路運送法で定義されている「一般乗用自動車運送事業」=「タクシー」としての許可を受けずに、人を乗せてそれに対する対価を得るタクシーと同じような業態のことを指します。

具体的には、
・運輸局にタクシー事業運営の許可を受けずに
・運送に対する「直接の対価」を得ている
業態のことを白タクと言っているのです

3. なぜCREWは白タクに当たらないのか

謝礼のイメージ

CREWライダーが支払う料金は、主にCREWパートナーに対する実費(ガソリン代、高速代等)、CREWパートナーへの感謝の気持ちに応じて ”任意に金額を決めることができる”「感謝料」のみです。

そのためCREWは、運送に対する対価の発生するタクシーとは異なり、運送に対する直接の対価が発生しない「無償運送行為」に分類されます。

タクシーとは違い、CREWパートナーが「運送に対する直接の対価」を受け取るものではないため、道路運送法上の解釈では無償運送行為、すなわち白タクではないと分類されているのです。またそれに従って合法のサービスであると解釈されています。

4. さらに詳しく 〜直接の対価とチップについて〜

タクシーは、道路運送法により許可を受けた車両が、運送に対する「直接の対価」として決められた料金を収受する営業用の自動車に分類されるものです。

これに対して、空港からホテルまでの無償の送迎バスや、学校や霊園等で運営されている数百円程度の実費を徴収して自家用車による送迎など、「直接の対価」ではなく、無償あるいは実費程度を徴収するものがあります。こういった実費程度の徴収は、社会通念上「直接の対価」を得ていないと解釈されているのです。

また、サービス業では「直接の対価」以外にチップの支払いが行われることがあります。大道芸人やタクシーの運転手、ホテルマンもチップを受け取ることがありますが、これを誰も違反とは言わないでしょう。

デジタル時代ですから、海外では教会での献金や飲食店でのチップは、クレジットカードやQRコードにより支払うことが一般化してきています。
タイムズスクウェアの大道芸人も、タブレットとクレジットカード決済機能を準備しているかもしれません。
日本ではやや遅れていますが、CREWでは、クレジットカードによるチップ支払いシステムを採用しています。

かつては「白トラ」という用語もありましたが、規制緩和が進んだ最近ではほとんど聞かなくなりました。「白バス」という言葉もあまり見かけなくなってきています。「白タク」は、 バブル頃に流しのタクシーがなかなか捕まえられなくて出現したことがありますが、通常のタクシーと同じく「直接の対価」として運送賃を徴収することから、明らかに道路運送法に違反するものでした。
これに対してCREWは、自家用車の相乗り行為に分類されるもので、「直接の対価」を得ないため、違法ではありません。

道路運送法は罰則を伴うものだけに、民主、法治国家の日本では、解釈も制限的に行われています。規制緩和が進んだ今日、社会構造に適合した解釈が行われているのです。